カラダの豆知識
「1日1万歩」はもともと宣伝文句?40代に本当に必要な歩数の話
スマホの歩数アプリを開いて、夜9時の時点で「3,214歩」。あと6,786歩……と計算したところで、そっとアプリを閉じる。そんな日、ありませんか。
「健康のためには1日1万歩」。誰もが一度は聞いたことのあるこの数字、実は研究から生まれた数字ではなく、日本の歩く会や、ある商品のキャッチコピーがはじまりと言われています。じゃあ、本当はどれくらい歩けばいいのか。研究で分かってきたことをまとめます。
「1万歩」のルーツは、まさかの宣伝文句
アメリカの研究者が歩数の目安をまとめた2004年の論文では、「1日1万歩」という数字は、30年以上前の日本のウォーキングクラブや、商売のスローガンにさかのぼると紹介されています。
キリがよくて覚えやすい「1万歩」。宣伝としては大成功で、いつの間にか世界中で「健康の合言葉」になりました。ただ、この論文でも、1万歩は元気な大人の目安としてはそれなりに妥当としつつ、高齢の方や持病のある方には続けにくい場合があると書かれています。
4万7千人のデータでは、8,000歩あたりから「ほぼ横ばい」
2022年、15の研究・約4万7千人の歩数と、その後の死亡リスクの関係を調べた研究が発表されました。
- 歩数が少ないグループ(1日平均 約3,500歩)にくらべて、多いグループほど死亡リスクが低い傾向でした
- ただし、下がり方はずっと続くわけではなく、60歳以上では6,000〜8,000歩、60歳未満では8,000〜1万歩あたりで、それ以上歩いても大きくは変わらなくなっていました
「歩くほど長生き」という単純な話ではなく、「ある程度まで歩くと、それ以上はあまり変わらない」という結果です。なお、これは歩数とリスクの関係を調べた研究で、歩けば必ず長生きできる、という意味ではありません。
国のおすすめは「1日約8,000歩」
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、大人は**歩くこと、またはそれと同じくらいの強さの活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上にあたる)**がすすめられています。
1万歩に届かなかった日の自分を、責めなくて大丈夫。かといって、8,000歩もなかなかの数字です。いま3,000歩の人が、明日から急に8,000歩を目指すと、3日坊主のフラグが立ちます。
まずは「今より1,000歩」から
おすすめは、いきなり目標の数字を追いかけるのではなく、今の自分より少し増やすこと。国のガイドの「60分で約8,000歩」から計算すると、1,000歩は10分もかからない歩きです。
- 車をお店の入口から一番遠い場所にとめる
- 一駅分、またはバス停ひとつ分歩く
- エレベーターより階段(まずは下りだけでもOK)
- 電話はうろうろ歩きながら
膝や腰に痛みがある方、持病がある方は、医師に相談のうえで無理のない範囲で取り組んでください。
まとめ
- 「1日1万歩」は、研究ではなく日本の歩く会やキャッチコピーがはじまりと言われている
- 約4万7千人のデータでは、60歳未満は8,000〜1万歩あたりまで、歩くほど死亡リスクが下がる傾向だった
- 国のおすすめは1日約8,000歩。まずは今より1,000歩(10分弱)増やすところから
歩くのはひとりでもできますが、「今日は行く日」と決まっている場所があると、不思議と足が向くものです。歩数アプリを閉じたくなった日こそ、仲間とトレーナーが待っているジムへ。初めての方は30日間、無料で試せます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医学的な助言ではありません。持病や痛みがある方は、運動を始める前に医師にご相談ください。