カラダの豆知識
筋トレは「週にドラマ1話分」でいいらしい。がんばりすぎない人ほど得をする話
新年の目標に「毎日筋トレ」と書いて、3日目には何事もなかったように手帳を閉じる。ジムに入会して、気づけば会費だけ払う「幽霊会員」になっている。
……身に覚えがある方、安心してください。筋トレは、そんなにがんばらなくていいかもしれません。 しかも、それを言っているのは根性論ではなく、世界中のデータです。
世界の研究が出した答えは「週30〜60分」
2022年、スポーツ医学の専門誌に、筋トレと健康の関係を調べた16の研究をまとめた論文が発表されました。分かったのは次のようなことです。
- 筋トレをしている人は、していない人に比べて、死亡・心臓や血管の病気・がんなどのリスクが 10〜17%ほど低かった
- そして、その「得」がいちばん大きかったのは、筋トレの時間が 週30〜60分 くらいの人たち
週30〜60分。つまり、ドラマ1話分くらいです。1日あたりにすると約4〜9分。カップ麺ができあがるのを1〜2回待つくらいの時間です。
「もっとやれば、もっと得」ではなかった
面白いのはここからです。この論文では、週60分を超えて筋トレを増やしても、得がどんどん増えるとは限らない、という結果になりました(グラフにするとアルファベットの「J」のような形になるので、専門的には「J字型」と呼ばれます)。
もちろん、これは「たくさんやると体に悪い」と言い切れるものではなく、たくさんやったときの影響はまだはっきり分かっていない、というのが論文の結論です。ただ少なくとも、毎日へとへとになるまでやらないと意味がない、わけではないことは言えそうです。
翌日、筋肉痛で階段を後ろ向きに降りるほど追い込まなくても大丈夫。「ちょっと物足りないかな」くらいで終えて、また来週もやる。そのほうが、きっと長続きします。
歩くこととセットにすると、さらにおトク
同じ論文では、筋トレに加えて、歩くなどの有酸素運動もしている人は、どちらもしていない人に比べて、死亡リスクが 約40%低い という結果も出ています。
いつもより1駅分歩く。スーパーでは入口からいちばん遠い場所に車を停める。そんな「ついで」の積み重ねも、ちゃんと意味があるということです。
今週からできる「ドラマ1話」プラン
厚生労働省の運動ガイドでも、筋トレは 週2〜3日 が目安とされていて、マシンを使わない、自分の体重を使った運動も含まれるとされています。
たとえば、こんな感じで十分です。
- 週2回、1回20〜30分:これで「週30〜60分」に届きます
- 道具はいらない:スクワットや、壁に手をついての腕立て伏せから
- 「物足りない」で終える:次もやりたくなる余白を残すのがコツ
膝や腰に不安がある方、持病がある方は、始める前に医師に相談してくださいね。
まとめ
- 筋トレの「得」がいちばん大きかったのは、週30〜60分(ドラマ1話分)
- 増やせば増やすほど得、とは限らない。がんばりすぎなくていい
- 歩く習慣とセットにすると、さらにおトク
「それなら私にもできそう」と思えたら、それがいちばんの第一歩です。ひとりだとつい後回しになってしまう方は、トレーナーと仲間が待っている場所を「週2回の予定」にしてしまうのもおすすめです。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医学的な助言ではありません。持病や痛みがある方は、運動を始める前に医師にご相談ください。